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明るい夜間戦闘

第二次世界大戦のヨーロッパ上空で繰り広げられたドイツとイギリス、アメリカの知られざる夜間戦闘の歴史や航空機、技術の紹介しています。

イギリス空軍のレーダー装備

イギリスは電波技術でドイツを凌いでいました。ドイツのレーダーに対抗するため、まず航法を正確にして、密度の濃い編隊で乗り込み、一組につき敵機一機にしか対応できない「ヒンメルベット」の壁を破ろうとしました。
1940年6月から開発を進めていたGEE航法補助装置が、その尖兵でした。GEEは地上2ヶ所から発信されたパルスを機上で捕らえ、その時間差で自機の位置を知る無線航法システムでした。

FuG28a クニッケバインこれはドイツが「バトル・オブ・ブリテン」で使用した「クニッケバイン」航法補助装置を大幅に進歩させたもので、さきごろまで定期航空路で主用されていたNDB(ホーミング・ビーコン)の原型とも言えました。
GEEのテストは1941年の夏に行われ、その後は量産が進んで1942年3月の時点で、イギリス空軍爆撃機兵団の30%の機に装備されるまでに普及していました。

イギリスは1940年2月に、マイクロ波を出せるマグネトロン管の実用化に成功し、1941年3月にはマイクロ波を利用した機上邀撃レーダーを開発しました。そして1941年末には地形表示レーダーの試験を実施し、サザンプトン市と海岸線を明瞭にスコープに映し出すことに成功しました。
地形表示レーダーはPPI(平面位置表示器)スコープに映る地形と地図を見比べながら進むもので、地形を映し出すためには10cm前後のマイクロ波が出せるレーダーが必要でした。これが後にイギリス空軍の爆撃兵団を支えるH2Sになるのでした。
ただH2Sを使用する問題点は、ドイツ軍に入手された場合、コピーされるのではないかという心配でした。しかし1942年7月に「コピーを作られる前に、ドイツを降伏させればいい」との判断のもと使用が決まり、1943年に入って、目標指示を行う先導機・パスファインダーに装備されました。

さらにドイツのレーダーを妨害する兵器も導入されました。「ヴュルツブルク」の周波数が560Mhzと高く、妨害が難しかったため、まず周波数が118〜125Mhzの「フライア」が目標にされました。「ムーンシャイン」と呼ばれる装置がその一番手で、フライアのスコープに虚像を映させる方法で、二番手の「マンドリル」は画面を見出す装置でした。
他に対レーダー用ではありませんでしたが、ドイツ空軍の戦闘機と地上の通信電波を乱す「ティンセル」の準備も進んでいました。
そして1942年夏から冬にかけて、これらの妨害装置が働き始めるのでした。

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メタデータ:

投稿者:IMAGEDRIVE
公開日時:2009年4月26日 02:07 更新日時:2010年3月14日 23:50
URL:http://www.nachtjagd.org/history/1942/1942_05.shtml

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