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明るい夜間戦闘

第二次世界大戦のヨーロッパ上空で繰り広げられたドイツとイギリス、アメリカの知られざる夜間戦闘の歴史や航空機、技術の紹介しています。

ベルリン爆撃の開始

ツァーメ・ザウ」「ヴィルデ・ザウ」で手痛く叩かれたイギリス空軍爆撃機兵団は、両戦法の弱点である空地間の通信妨害を行いました。
エアボーン・シガーを投下するランカスター無線で使われる超短波は「エアボーン・シガー」(略称A.B.C.)と呼ばれる超短波の通信波を混乱させる装置を「ランカスター」の機内に搭載し、短波に対しては英国本土の地上局からドイツ語が流暢な要員の声を強力な電波で送り込む方法をとり、これをコロナ作戦と名付けました。
両方とも爆撃目標への誘導装置G-Hとともに、1943年10月のうちに実戦での使用を開始しました。1943年10月23日のカッセル爆撃で、コロナ作戦が初めて実施されました。

1943年11月8日、イギリス空軍はさらに一歩すすめて爆撃機部隊に同行し防衛するための第100(特別任務)集団を編成しました。
第100(特別任務)集団は対ドイツ夜間戦闘用の専門部隊として「マンドレル」「ウィンドウ」「エアボーン・シガー」を積んで、ドイツの邀撃システムを妨害する4発爆撃機と、邀撃レーダーやホーマーを装備しドイツ夜間戦闘機を撃墜するための夜間戦闘機とで構成されていました。
これらの新戦力を背景に”ボマー”ハリスは「アメリカ陸軍第8航空軍が参加すれば、我々はベルリンを壊滅させられる。400機から500機の損害はでようが、ドイツを敗戦に追い込める」と唱えました。そして1944年4月にはほぼ大爆撃は終え、ドイツを降伏させる算段でした。
ベルリンへは、すでに何度も空襲をかけていましたがゴモラ作戦でのハンブルク爆撃のように、徹底的に粉砕しようと考えました。首都が焼尽すれば、国民の戦意は崩れるというのがハリスの計算でした。

第1回ベルリン爆撃

リパブリック P-47C「サンダーボルト」しかし、アメリカ陸軍第8航空軍はリパブリック P-47「サンダーボルト」の航続力不足のため、爆撃機戦力はかなりのダメージを受けていて作戦参加は無理でした。
可動990機のイギリス空軍爆撃機兵団は、単独攻撃を決意しました。ベルリン爆撃の第1回目は1943年11月18日の夜に開始され、1944年3月24日に終わるまで計16回にも及びました。

北部ヨーロッパの冬はどんよりとした天気が続き、ベルリン上空も厚い雲に覆われていました。イギリス空軍爆撃機隊はGEEに航法を助けられ、「オーボエ」やG-Hにより目標上空に到達すると、通信妨害を行いながらH2Sのスコープに浮き出た目標に向けて、ベルリンに到達した402機が雲上から投弾を開始しました。

対するドイツ空軍は雲の下へサーチライトを当てて明るく光らせ、その上に黒く浮き上がる敵重爆撃機を目指して「ヴィルデ・ザウ」で突進し、サーチライトの及ばない空域には爆撃機が照明弾を撒きました。
一方、敵編隊の往復途上は「ツァーメ・ザウ」で襲いかかりました。新型のFuG 220 リヒテンシュタイン SN-2が夜空を探り、敵機が付けたH2S及び「モニカ」後方警戒装置の電波をナクソスZとフレンスブルクが追いかけました。

またベルリンとは別に、イギリス空軍はマンハイムルートヴィヒスハーフェンに対して395機で陽動爆撃を行い、モスキートはいくつかの街に攻撃をしかけました。

第1回目のベルリン爆撃でのイギリス空軍の損失は32機と出撃機数884機の3.6%のを失い、その内ベルリンでは9機が撃墜されました。
爆撃されたベルリンでは空襲警報は20時11分に出され、解除されたのは22時23分でした。この空襲で143人が死亡、4人が行方不明になり、409人が負傷しました。8,493軒が全半壊(内全壊は533軒)し、7,326人が家を失いました。

参考資料

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メタデータ:

投稿者:IMAGEDRIVE
公開日時:2009年8月14日 01:12 更新日時:2009年9月27日 17:19
URL:http://www.nachtjagd.org/history/1943/1943_20.shtml

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