1. メニューへ移動
  2. 本文へ移動

明るい夜間戦闘

第二次世界大戦のヨーロッパ上空で繰り広げられたドイツとイギリス、アメリカの知られざる夜間戦闘の歴史や航空機、技術の紹介しています。

追い込まれるレーダー技術

イギリスは対ドイツ夜間戦闘機用の新器材の開発をおこたらず、アメリカ製も加わって1944年夏から各種の強力な電波兵器を第100(特別任務)集団に装備させ、実戦に投入しました。
まずツァーメ・ザウに用いる通信を撹乱するため、大出力で各種周波数の電波を一度に妨害できるジョッスル IVボーイング B-17 フライングフォートレスコンソリデーテッド B-24 リベレーターの爆弾倉内に搭載して送り出しました。
一方、デ・ハビランド モスキートにはドイツ夜間戦闘機の装備するFuG 25a エルストリング(初物・長子)味方識別装置にパルスを送って作動を起こさせ、その位置を知るパーフェクトス(葉巻)を搭載し、追跡能力を向上しました。
ついで秋からはリヒテンシュタイン SN-2の電波を乱し補足を不可能にするアメリカ製のパイプラックを4発爆撃機に搭載しました。さらに1945年1月からは、SN-2の周波数に合わせて改良したセレイト IVも搭載し、ドイツ夜間戦闘機はいっそう苦しめられるのでした。

FuG228 リヒテンシュタイン SN-3これに対してドイツ軍は新ウィンドウを克服するため、周波数の可変域を広く取り、出力を20kw(SN-2は2.5kw)と大幅に強化したFuG 228 リヒテンシュタイン SN-3を開発しました。
SN-3には小型軽量化して抵抗を減少させたモルゲンシュテルン(明けの明星)と呼ばれる単支柱タイプのアンテナが用いられ、機首のコーン内に収められるようになりましたが、完成品も10基にとどまり戦力化までには至りませんでした。

FuMG 404 ヤークトシュロスイギリスがマンドレルを順次改良し、ツァーメ・ザウを補佐するドイツのレーダーの妨害を続けたのに対して、新警戒レーダーFuMG 404ヤークトシュロスを1944年夏から登場させました。
回転式のアンテナは長さ24メートルに及ぶ巨大さで、最大探索距離は150キロに達し、4段階の可変周波数方式によりマンドレルの妨害を防ぐことができました。ヤークトシュロスは取り扱いに高度な技術を要しましたが、夜間戦闘機に敵編隊の流れを続けて指示でき、ツァーメ・ザウの協力な支援器材になりましたが、イギリス空軍はウィンドウの撒き方に工夫をこらして対抗しました。

しかし、ノルマンディに上陸した連合軍はじりじりと東進を続け、1944年11月には警戒レーダーの有効な設置場所であるフランス、ベルギーを奪取していきました。
連合軍の占領地区の空域から進入してくるイギリス空軍機は、警戒レーダーが発見したときにはすでに目標まであとわずかに迫っており、夜間戦闘機の邀撃はますます困難さを増してきました。

かつてイギリス空軍から名付けられ、恐れられたカムフーバー・ラインは、繕いきれないほころびのため、その威力を低めていくのでした。

1944年11月の夜間戦闘組織

本国航空艦隊

司令部:ヴァンゼー(ベルリン)

第1戦闘軍団(I. JK)

司令部:トロイェンブリーツェン

第1戦闘師団(1. JD)

司令部:デーベリッツ

  • 第11夜間航空団第3中隊(3./NJG 11)
  • 第10夜間航空大隊NJGr 10)
東部プロシア戦闘教導部隊(Jafü Ostpreussen)
  • 第5夜間航空団本部中隊(Stab./NJG 5)
  • 第100夜間航空団第I飛行隊(I./NJG 100)
  • 第101夜間航空団第III飛行隊(III./NJG 102)
シュレジェン戦闘教導部隊(Jafü Schlesien)
  • 第5夜間航空団第II飛行隊(II./NJG 5)
  • 第102夜間航空団第I飛行隊(I./NJG 102)、第102夜間航空団第II飛行隊(II./NJG 102)
第2戦闘師団(2. JD)

司令部:シュターデ

  • 第3夜間航空団本部中隊(Stab./NJG 3)、第3夜間航空団第I飛行隊(I./NJG 3)、第3夜間航空団第II飛行隊(II./NJG 3)、第3夜間航空団第III飛行隊(III./NJG 3)、第3夜間航空団第IV飛行隊(IV./NJG 3)
  • 第5夜間航空団第I飛行隊(I./NJG 5)
  • 第11夜間航空大隊第1中隊(1./NJGr 11)
デンマーク戦闘訓練部隊(Jafü Dänemark)
  • 第2夜間航空団第IV飛行隊(IV./NJG 2)
  • 第3夜間航空団第III飛行隊(III./NJG 3)※分遣隊
第3戦闘師団(3. JD)

司令部:ヴィーデンブリュック

  • 第1夜間航空団本部中隊(Stab./NJG 1)、第1夜間航空団第I飛行隊(I./NJG 1)、第1夜間航空団第II飛行隊(II./NJG 1)、第1夜間航空団第III飛行隊(III./NJG 1)、第2夜間航空団本部中隊(Stab./NJG 2)、第2夜間航空団第I飛行隊(I./NJG 2)、第2夜間航空団第II飛行隊(II./NJG 2)
  • 第11夜間航空団第2中隊(2./NJG 11)
  • 第10夜間航空大隊第I飛行隊(I./NJGr 10)
中部ライン戦闘教導部隊(Jafü Mittelrhein)
  • 第4夜間航空団第I飛行隊(I./NJG 4)、第4夜間航空団第II飛行隊(II./NJG 4)、第4夜間航空団第III飛行隊(III./NJG 4)
第7戦闘師団(7. JD)

司令部:プファッフェンホーフェン

  • 第6夜間航空団本部中隊(Stab./NJG 6)、第6夜間航空団第I飛行隊(I./NJG 6)、第6夜間航空団第II飛行隊(II./NJG 6)、第6夜間航空団第IV飛行隊(IV./NJG 6)
  • 第1夜間航空団本部中隊(Stab./NJG 1)、第1夜間航空団第I飛行隊(I./NJG 1)
第8戦闘師団(8. JD)

司令部:コーベンツル(ウィーン)

  • 第6夜間航空団第III飛行隊(III./NJG 6)
  • 第100夜間航空団第II飛行隊(II./NJG 100)※第4中隊欠
  • 第101夜間航空団第II飛行隊(II./NJG 101)
ハンガリー昼夜戦闘教導部隊
  • 第100夜間航空団第4中隊(4./NJG 100)
  • ハンガリー空軍(NJSt5/1)

カテゴリ:

メタデータ:

投稿者:IMAGEDRIVE
公開日時:2010年10月11日 17:51 更新日時:2010年11月10日 20:08
URL:http://www.nachtjagd.org/history/1944/1944_09.shtml

関連記事一覧

  1. 王族エース ヴィトゲンシュタインの死
  2. 1944年のベルリン爆撃
  3. ベルリン爆撃の終焉
  4. 血の三月(イギリス空軍最悪の日)
  5. ユンカースの台頭
  6. シェーネルトの独立単座夜間戦闘機部隊
  7. カムフーバー・ラインの崩壊
  8. ヴェルターとRAF第100集団のモスキート
  9. 追い込まれるレーダー技術
  10. 増加する機材と欠乏する燃料
  11. トップエース ヘルムート・レントの死
  12. 1944年の総決算